予兆

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予兆

『地表からおよそ五百キロメートルの高さまで、空気と呼ばれるものが存在しています。ところがこの空気、上にあがれば上がるほど、どんどん薄くなっていくんですね』  円形に配置された座席から、頭上のドームスクリーンを見つめているのは、四十名ほどの中学生たち。スクリーンには、地表から見上げた青空の様子が映し出されている。 『かつて、地上から三十キロメートルの高さには、オゾンというガスがたくさん含まれている場所があり、これをオゾン層と呼んでいました。太陽の光には、生物にとって危険な紫外線という光線が含まれているのですが、オゾン層は紫外線を吸収する役目を果たしていたのです。しかし、今から百五十年ほど前、オゾン層は突如として消えてしまったのです』  百五十年前に発生した地表環境の激変。その話は小さいころから良く聞く話ではあったし、理科の教科書にも書かれている。しかし、なぜ環境変化が起きたのかについて、その明確な理由についてはあまり語られない。     
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