けがれなき空に

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 私が戸惑っていると、ポツポツ雨が降ってきた。モンちゃんが濡れちゃう。  私は慌てて傘の絵を描いた。これで雨をしのげる。そう思っていたのに、雨は無情にも私とモンちゃんを打ちつける。  どうやら私の傘の絵が下手だったらしい。私が描いた傘の絵は、骨組みだけの傘になっていた。 「困ったなぁ」  とにかくモンちゃんを泣き止まさなければと、私は鳥の絵を描いた。  黒くても可愛ければ良い。そう思って描いた鳥の絵はカラスになった。モンちゃんは泣き止むどころか、さらに大きな声を上げて泣き出した。 「どうしよ、どうしよ」  軽くパニックに陥った私は、無意識の内に星の絵を描いていた。青い空に星なんて変じゃないか。それも黒い星。私、さっきから何をやっているのだろう。 「そうだ! 虹を描いたら雨が止むかも」  これは名案だ、と虹の絵を描きかけたところで私は自分自身に「ホントに虹を描くの?」と問いかけ、かぶりを振った。黒い虹なんて描いてもダメだ。単なるアーチ状の黒い物体になるだけじゃないか。
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