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大事な友達だからこそ離れなければ。
これ以上、巻き込みたくない。
そう思って一人で生きていこうとした。
でも今、またあのバーに通って人にか変わろうとしている。
拠り所を探そうとしている。
その事に、矢野に再会して思い知った。
「これ、俺の連絡先。連絡しろよ」
「いい。もらっても、たぶんしない」
「は? なんで」
「なんでって、逆に矢野はなにも思わないの? 俺のせいで推薦ダメにされて、泣いてたじゃん」
「・・・! お前、見てたのかよ」
思わずずっと黙っていたことを暴露すると、矢野は少しだけムッとした表情を見せる。
それならそれでいい。嫌われてもういいと突き放された方がずっと。
「あれは、自業自得だからお前は関係ない」
「何が関係ないんだよ」
「俺がリハビリ焦って転んだんだって。普通に回復していってたら推薦間に合ってたの」
「は・・・?」
「だから、お前のせいじゃないし。あの時泣いてたのも、お前を責めてじゃない。自分のバカさに呆れてた」
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