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「そうじゃ、ないけど・・・。でも、行きたいところに行けなかったのはたしかだろ」 「あのなぁ。推薦がダメでも、一般で受けれるわけ。でも、俺は受ける選択をしなかった。それは俺の意思だ」 「それは、一般で通る可能性が低かったからだろ? だから推薦にかけてた」 「本気でいきたかったら、一般でも頑張ろうとするよ」  街の往来で、何をこんなに衝突してるんだろう。  矢野が本気でぶつかってきてくれてるのがわかる。  俺のこと、わかろうとしてくれているのか。ただ、勝手に逃げ出した俺にイラついているだけなのか。  イラついてはいるんだろう。イライラはずっと伝わってくる。 「いっとくけどな。俺は今幸せだ。大学で気の合う彼女を見つけた。志望大に行っていたら出会えなかった。だから、俺は後悔していない」 「それは、おめでとう。でも、結果論だ」 「ほんとお前、めんどくさい」  わかってるよ、それくらい。  自分だって、こんなうじうじした自分嫌いだ。  女々しくて弱くて、情けない。  不幸体質だって、こんなの偶然だって笑って済ませたい。  むしろ、気づかず生きていきたかった。
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