☆幸福の朝

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☆幸福の朝

「2LDKのこっちの部屋なんてどうですか?」  とある日曜日。  心機一転、アパート探しを始めた俺たちは、時間が許す限り不動産会社にいったりネットやチラシで部屋探しをしていた。  同時に新しい会社の事務所も探していたけど、そっちの方が早くにいい立地の空きがあったためもう決まっている。  会社にするためには色々な手続きが必要になるため、まだ起動するのは少し先になりそうだった。 「やだ」  孝明さんは俺が示したチラシを見もしないでピシャリと断った。  これで、三件目だ。  見もしないで、やだとはなんだと思うのだが。  だって、ここは新しい会社の場所からも程よく近い。俺たちは一緒のところに通うのだから、間をとったりしなくてもいいぶん選びしろは広い。  そのはずなのに、一向に決まらないのはなぜだろう。
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