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「ありがとうございます。でも、これまでも不便があった訳じゃなくて、ただ二人で使うには大きいかなってだけなので。使えるまでは使いましょうか」
「逆に、オーブンはほしいです。あのマンションは備え付けで新しいところには持っていけないので」
部屋がちゃんと決まると、どれだけのものが置けて、何が必要で何が要らないかの想像がこれまで以上につくようになる。
だから、話し合いが捗るのだ。
こうして着々と進めていくと、本当に二人で生活する場を作り上げているのだと実感する。
これまでは、俺が孝明さんの生活のスペースにお邪魔させてもらっていた感じだった。
それはそれで不満なんてなかったし、とても幸せな日々だったけど。
これから暮らすのは、俺たち二人が住むことを想定した場所だ。
俺たちが二人で暮らしやすいように二人で話し合って決めた部屋。
くすぐったくて、最高級に幸せなことだと思う。
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