☆幸福の朝

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 入居は半月後に決まった。  着々と、確実に進んでいく。 「あの広い部屋に慣れていて、窮屈さを感じませんか?」 「過ごしてみないとわからない。でも、渚となら窮屈くらいがちょうどいいな」 「え?」 「お前は恥ずかしがってすぐ俺から逃げようとする」 「そ、そんなこと・・・」  甘いのに、慣れてない。  嬉しいけど恥ずかしい。  めちゃくちゃ愛されてるってのがわかってるからなおさら。  同じくらい、いやもっと愛してるって伝えたいけど。  恥ずかしさが邪魔をするって、こういうこと。  いつか、自分から孝明さんを気持ちよくさせようと動いたことがあったけど、あのときの俺はほんと神でも降りてきてたんじゃないかと思う。  恥ずかしすぎて、あれ以来できない。
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