☆幸福の朝

25/32

1934人が本棚に入れています
本棚に追加
/467ページ
「おかえり、渚」 「はい。早かったですね。順調にいきそうですか?」 「ああ。問題ない。事務所の方は任せきりですまなかったな」 「いえ。入山さんや真野さんもいたので、楽しくやれました」  孝明さんがさりげなく俺が持っていた買い物袋を取り上げる。  リビングのテーブルの上に置くと、中身を冷蔵庫にまでしまってくれる。  それにお礼をいいながら、自分は洗面所に向かって手洗いを済ませ、ついでに風呂の用意に取りかかった。  さっきみたいに、孝明さんが買ったものの片付けや簡単な家事を手伝ってくれるようになった。ここに引っ越してからだ。  どうしてなんだろう。あとで、聞いてみよう。  だから俺も、してくれようとすることを断ったりはしない。お礼を言って任せてしまうようにしている。  そうすると、なんだか二人で住んでいるんだってなんとなく実感がわく。 「ここに越してきてから、色々とお手伝いしてくれますね」  料理を作り終えテーブルに運ぶのも手伝ってもらい、テーブルについて食べ始めたところで先程の疑問を早速解決するため口を開いた。
/467ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1934人が本棚に入れています
本棚に追加