1.フられた直後に美少年の彼氏ができた話

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「そういうことだから。ごめん」  一方的に告げて去ってゆく、数分前までは彼氏だった相手を、私はぼんやり見送った。  いつもそうだ。  告白されて、何となく付き合って、フられる。他に好きな子ができたから、一緒にいても楽しくないから、他にもいろいろな理由を付け加えて。  けれど、一度も恋をしたことのない私に、彼らを責める資格はない。  好きでもないのに流されて付き合っているのだ、フられても仕方がない。そして、それを哀しいとも思えない。  私には、きっと何かが欠けている。  下校時刻を知らせる放送が響く。  夕暮れ色に染まる古びた校舎の壁を眺めて、ぽつりと呟いた。 「……恋って、なに」 「知りたい?」
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