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目を開けたら、青いゼリーの中だった。
ちょうど、スプーンで掬った時に残るあの断面みたいなでこぼこが、視界にこれでもかというほど広がっている。
息を吐き出すと、無数の泡がそのでこぼこの表面に向かって昇っていった。
自分の両腕が、ゆらりと宙を掻いた。沈んでいく。息が出来なかった。苦しいともがけばもがくほど静寂に沈んでいくのに、その青さは息を飲むほど美しい。
ああそうか、これで僕は、楽になれるんだ。
最期の瞬間にうちひしがれながら、そっと目を閉じる。意識を手放す瞬間、青に溶ける僕の手を、誰かが掴んだ気がした。
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