誰かの青い傘が

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* 「あっ!」と思って差し出してみた。 いつかどこかで取り違えた、俺にしては可愛すぎるこの青い傘を。 また今日もかい?何回目だい? 君はいつも忘れるよね? せっかくの綺麗な制服なのに。 せっかくの綺麗な髪なのに。 たしかに今日の雨は冷たいけど、晴れた日の青空に似て俺は寛大なんだ。 だから差して行けよ。 礼なんていらないよ。 でも、そのかわり、次に降ったときは俺が君の傘に入ってみたいもんだな。
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