3.青の運命

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3.青の運命

アメリカの空港内で輝は人影に気付いた。 「なあ、誰かにつけられていないか?」 「ええ、つけられているわ」 「奴らは一体何者なんだ?」 「敵よ」 「試合の対戦相手って事か?何、敵って?もしかしてまだ逆恨み的な何か?」輝は声を殺してそう言った。 「・・・ねえ、青木さん、秘密は絶対守るのよね?」 「当たり前だ。秘密と約束は守る」 「・・・私の正体はね、正義の味方、ブルーソルジャーなんです」 「ブルーソルジャー?青の戦士?」輝は驚きのあまり足を止めた。 「足を止めないで聞いて下さい。そう」 「え?ふざけてんの?って顔じゃあないよね・・・。じゃあ、レッドやイエローもいるのか?」 「ええ、赤は火星、黄色は金星。私は青で地球の平和担当なのです」 「じゃあ、奴らは悪の組織的な何か?」 「そう、奴らは地球征服をして手にしようとしている侵略者。私たちはインベイダーと呼んでいる」 その時だった・・・。一瞬の静寂、そして次の瞬間、空港一杯の大爆発が巻き起こった。輝が目を覚ますと、見るも無残な姿に変わった空港で、ブルーソルジャーがインベイダーと戦闘を繰り広げていた。一対二十はあるだろう多数の敵と対等に戦っていた。しかし、一対一になった所で、彼女は輝の前に吹き飛ばされた。 「青峰さん!」 「やられた。青木さん、あなたがブルーソルジャーになって」 「え?何言っているんだ?」 「分かっているでしょ?この傷、私はもう間もなく息絶える。だから、お願い、あなたが好き。私の唯一のお願い。私の力を受け継いで」 「今好きとか言うなよー、もー、分かったよ」 輝が涙を浮かべながらそう返事をすると、遥は輝にキスをした。そしてそのキスによって力が輝の全身に駆け巡る。 「私のブルーウイルスが今、あなたの体内を侵食し始めたわ。もう間もなく、あなたはブルーソルジャーとして生まれ変わる。ありがとう」遥はそう言うと、微笑みながらそっと目を閉じ息絶えた。 この瞬間、青木輝はブルーソルジャーとして新たな人生をスタートさせた。子供の頃、初めて抱いた夢、それは青の戦士になる事だった。そして今、それになっている。輝には信念がある。約束を守る事、愛を大切にする事、正義を貫く事。今から輝は地球の平和を守る為、戦いに明け暮れる。そしてその戦いは地球の平和が訪れるその時まで終わる事は許されない。
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