野生児、日本に強制送還

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超厳しく躾けられている。 どのくらいかというと、一緒に入った女の子たちが団子状になり「石井さん、かわいそう、ああああああああっ」と泣くくらいだ。 どちらかというと、明日香は野生児なので、このくらい厳しく教えられないといけない。 手掴みで肉を食うタイプなので「ナイフとフォークをきちんとしなさい!」と一から教えてもらったのを感謝している。 (が!薫陶の甲斐もあり!ちゃんとしたお洋服とちゃんとした髪型をしております!霧島取締役うううう!) と、脳内が叫んでいる間に霧島夫人の昌代さんが現れた。 (昌代さんと比べたらサルでした、すみません、霧島取締役) 昌代さんは山吹色のお着物を召していた。襟には白とスミレ色をあしらっていて、帯は萌黄色、帯留めは朱色でなんとも言えずお上品だ。 (昌代夫人と比べたら私は本当にサルです、ウルトラ野猿です、すいません) そう思っている明日香を昌代夫人はホテルの奥の方にいざなう。 そして (はい?!) 「さあ、着替えましょうねぇ」 ホテルの一室は大きな鏡がついていた。 (真っ白な部屋……こ、これは!) テレビで昔見たことがある…… (結婚式前の花嫁がお着替えする場所みたいなとこだ!) そして
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