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かん助は荷物を担いで海で釣りをしている仲間に声をかけた。
港から少し離れていたので、しつこく声をかけてくる商人もいなかった。
「おーーい、出立だ!!急げ、お頭が呼んでるぞ!!」
「うおーい・・・こいつもう少しで釣れそうだってのにか??」
「しるか、魚の都合なんてよ!!」
「へーーーーーーーい・・・あ、こいつ、寄ってきやがった!!」
「おまえ、魚に遊ばれてんな~~~!!」
はははは!!!
なんだかんだで皆が揃ってお頭の後ろを歩き始めていた。
それぞれがばらばらに動いているようで、うまく民衆に紛れる様は、長く戦乱の地を渡り歩いてきた知恵だった。
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