黒竜と朱雀

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黒竜と朱雀

黒竜は朱雀の炎と爪の攻撃をいきなり頭上に喰らった。 竜巻の上空から羽根を畳んで攻撃してきたのを、一瞬受けることが出来なかったのだ。 黒竜の頭は、朱雀の鋭利な爪と激しい炎で地上まで一気に押し戻されると、そのまま地面に叩きつけられた。 朱雀はその羽根の熱を最大にして渦を巻く雲にぶつけた。 上空まで伸びていた竜巻は、内側からの朱雀のエネルギーで縄をほどく様に消えていく。 「 ナンダト ??  クモ ガ キエタ ダト?!」 朱雀は黒竜の咆哮を聴いた。 その頃城の中では、かん助ら忍軍が、クナイを使って幻術を打ち破ろうと必死になっていた。 「お頭は、こんな風に空を斬っただ!」 「下手くそが!こうだっ!えいっ!」 「だめだだめだ、そんなへっぴり腰ではっ!!こうっ!こうしてこうっ!!」忍軍全員がまるでクナイの素振りをしている、そんな様相を呈していた。 「ちきしょ~~~~~!!!おかしら~~~~~!!おれもたたかう~~~!!」 「こんなとこで死ぬのは、いやだああああ!!!」 「おめえら、新入り、誰でもいい!!術つかえねえのか??」 忍軍の新入りがぼそっと言った。 「御頭、おれらをおとりにしたんじゃないのか?」 これにブチ切れたのは、古くからの忍者達だった。 「んなわけねええ!!!!お頭はおれらを育ててくれたおひとよ!!何がまちがいだっておれの目はごまかせねええ!!」 「いやいやかん助、おまえ何いってっか、わかんねえべ!」 「いんや、おれが言いたいのはなっ!!おれはおかしらが、黒鬼になった時から知ってる!黒鬼ってのはなあ、いちばん 強ええ鬼のこった!! その鬼になったって、おれら忍びを大事にして、敵からまもってくれたんが、おかしらよ!!おかしらが何ていったって、おれらはおかしらから、はなれちゃあなんねえんだ!!」
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