金の斧

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「あなたの落とした斧は、金の斧ですか?銀の斧ですか?それとも銅の斧ですか?」 女の人は答えた。 「金の斧です。ものすごく素敵な大事な斧なんです。」 女神さまは湖の中に入り、戻ってくるときらきら光る金の斧をお見せになった。 「あなたの斧はこれですか?」 女の人は首を横に振った。 「いいえ、そんな風には光っていません。それは私の斧ではありません。」 「それでは銀の斧を持ってきましょうか?」 女神さまは、やさしくおっしゃった。 「いいえ。銀の斧ではありません。私の斧は金なんです。」 女神さまは困った顔をなさって 「はてどうしたものでしょう。金か銀か銅のそれぞれ一本ずつしかここにはないのですよ。」 「そんなはずはありません!」 女の人は憤慨した様子で、ちょっと失礼します!と湖に飛び込んだ。 しばらくすると、湖の底をくまなく探してようやく自分の斧を見つけた女の人が、湖畔へ上がってきた。 待っていらした女神さまに満足そうにその斧を見せ 「ほら、ちゃんとありました。これが私の金の斧です。」 女神さまはさらに困った顔をなさって 「でもそれは銅の斧ですよ」 と、おっしゃた。 女の人が探してきた斧はいつの間にか人間の男の子の姿になっていた。 女の人は嬉しそうに言った。 「どう見たって金でしょう。私の息子は金ですよ。」
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