3 失踪

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黒く沈む無数の窓を睨むように見つめる朔耶に気づいた涼が、不思議そうに問う。 「どうした?」 声をかけられた朔耶はハッとして視線を戻す。 「なんでもない」 何となく誰かに見られているような、嫌な視線を感じた朔耶だった。 しかしすぐに気のせいだろうと自分に言い聞かす。 城の雰囲気や、バカげた噂に感化されたのかもしれないと自分を戒める。 涼の好奇心を早く満足させ、ここを去ろうと考えるのだった。 が、城の中に入った途端、朔耶はまたしても違和感を覚えてしまう。 微かに… 血の匂いを感じたからだ。 城のエントランスに立ち、しばらく動きを止めていた朔耶に、涼が近づく。 「朔耶~、あんまりボーッとしてると襲っちゃうよ」 朔耶の顔を覗き込み、またしてもセクハラ発言。 朔耶は間近に迫る涼を睨みつけた。 すると、 「その目、好きなんだな~」 と、笑いながら涼は言う。
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