4 絶望の始まり…

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「それ以上オレに触れたら――」 朔耶の瞳に何やら決意の色が宿る。 すると男はなぜか朔耶の身体から静かに手を離し、いきなり自分のネクタイを手早く外し始めた。 訝しそうに見つめる朔耶の目の前でそれをピンッと張ると、次の瞬間、朔耶の口にかませ首の後ろで縛り上げたのだった。 「…ゥ…ンッ…!!!」 「あなたのイイ声が聞けなくなるのは残念ですが、舌を噛み切って自害されたら困りますからね」 男の言葉に朔耶の眉がピクリと動く。 男はいとも簡単に朔耶の考えを見抜いたのだった。 男の余裕とは逆に、朔耶の瞳は憎悪を増していった。 それでも男はまるで煽るように朔耶に囁く。 「あなたが極上の快楽を得て、よがって啼く頃には、そのネクタイを外してあげますよ。その時はもう舌を噛み切る力も残ってないでしょうからね」 言って男はクスクスと笑う。 全ての抵抗を塞がれた朔耶は、この時初めて背筋に冷たいものが走ったのだった。
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