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「お前らも見んじゃねー!!!見せもんじゃねぇんだよ!!!」
朔耶の怒りは見物人にも向けられる。
そうすると、クラスの連中もゾロゾロと帰り始めるのだ。
朔耶はイライラしながら舌打ちすると、改めて涼に向き直った。
「お前、頭おかしいんじゃねーのか?」
朔耶は無遠慮に言い放つ。
「なんで?」
涼は見た目とはまるで真逆なバカ面で問う。
普通にしてればかなりのイケメン。端正な顔立ちに肩までの流れるような茶髪。身長も180近くはある。
一方、朔耶はキリッとした顔立ちに、僅かに揺れる黒髪。勝ち気そうな瞳が見るものを惹きつける。身長は170ちょっと。
「男にキスするなんておかしいだろ!それも唇に!!!」
朔耶が怒るのはもっともで、涼は毎日のようにふざけては朔耶にキスをするのだった。
不意打ちキス。
強引キス。
時にはディープキス。
そう。涼は稀にみるキス魔だった。
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