2 キス魔

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「お前らも見んじゃねー!!!見せもんじゃねぇんだよ!!!」 朔耶の怒りは見物人にも向けられる。 そうすると、クラスの連中もゾロゾロと帰り始めるのだ。 朔耶はイライラしながら舌打ちすると、改めて涼に向き直った。 「お前、頭おかしいんじゃねーのか?」 朔耶は無遠慮に言い放つ。 「なんで?」 涼は見た目とはまるで真逆なバカ面で問う。 普通にしてればかなりのイケメン。端正な顔立ちに肩までの流れるような茶髪。身長も180近くはある。 一方、朔耶はキリッとした顔立ちに、僅かに揺れる黒髪。勝ち気そうな瞳が見るものを惹きつける。身長は170ちょっと。 「男にキスするなんておかしいだろ!それも唇に!!!」 朔耶が怒るのはもっともで、涼は毎日のようにふざけては朔耶にキスをするのだった。 不意打ちキス。 強引キス。 時にはディープキス。 そう。涼は稀にみるキス魔だった。
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