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渾身の力を込め、涼の体を引きはがす。
しかし涼は悪びれもせず言う。
「これはキスじゃない。餌付けだ」
「………はっ???」
一瞬ポカンとした朔耶だったが、すぐに怒り沸騰。
「餌付けってなんだよ!!!オレはお前のペットじゃねーっ!!!」
「…ちっ」
もそもそとパンを噛み締め、舌打ちする涼を、朔耶はプルプルと震えながら睨み上げた。
そんな視線をものともせず、パンを食べ終わった涼は今度は準備体操を始める。
「さっ、じゃあそろそろ行くかな。昨日はよく眠れたし、飯は食ったし、後は性欲だけだ」
「…………」
朔耶の涼を見る目がスウッ…と細められる。そして一抹の不安を覚えながらも、重い足を踏み出す朔耶だった。
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