それが青ならば

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「それで、なんで最近はずっと青なわけ?」  私の血をチハルに定期的に分け与えるようになってから、数ヶ月経った。 毎週水曜日、場所は一人暮らしの私の家。道具の費用やメンテナンスはチハル持ち、私は血を与えるだけ。 最初のうちはよく私の血液の色もコロコロと変わったいたけれど、いつからか青に固定されてしまい、少なくともここ1ヶ月程はずっと青かった。  私の血の色はその時の感情によって変わる。 腹が立っていた初対面の時は灰色、一人暮らしで陽気だった時に指を切った時は黄色だった。 彼の特異体質に興奮して喜びを感じた時は赤だった。 もっといえば彼に提供し始めた頃は注射器が不快で緑だった。 気づいていないだけでもっと色んなカラーバリエーションがあるかもしれない。 性的興奮だとピンクだとか、それは短絡的すぎかもしれないけれど。  けれど、生まれて今まで血の色が青かったことは一度も無かったのだ。 その理由に私は気づいているけれど、その感情についてどうしても言うことが出来なかった。 「だから、なんてこともないんだってば、普通は青なの! はい、今日は終わり!」  注射針の後を隠す為のガーゼと絆創膏を張って、シャツの腕まくりを治す。     
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