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どれもこれも成功した試しはありません。
それどころか人間達は鼻で笑うばかりです。
青い悪魔はいつしか、人間達の自分に向けられる冷たい視線が、仲間達の声と重なっていました。
「青い。青い。」
「青いなあ、お前は」
「へたくそだなあ、お前は」
「悪魔の資格がないよ、お前は」
視線も、折り重なれば言葉になるのだと青い悪魔は学びました。
『俺は駄目な悪魔なのだろうか。』
失敗を繰り返した青い悪魔に、魔界での居場所はなくなりました。
魔界と人間界の空の色は違います。
魔界は常に夕日のように紅く、人間界は透き通るような青い空です。
なので悪魔の仲間達は、口々に
人もだませない役立たずの青い悪魔は青い空のニンゲンカイに落としてしまえ。
と言いました。
でも青い悪魔は悪魔なのです。人間達と一緒には到底一緒に生きてはいけません。
青い悪魔は必ず人を騙して見せるからと他の悪魔達にお願いしましたが、悪魔達は聞き入れてくれず、青い悪魔は青空の広がる人間界に落とされてしまいました。
それからずっと青い悪魔は泣いて過ごしました。
来る日も来る日も、雨のように泣きました。
子供のようにわんわん泣きました。
それでも悪魔は独りぼっちです。
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