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あおい
あるところに一人の悪魔がいました。
その悪魔はまだ若く、一人前の悪魔と言うにはまだ未熟な悪魔でした。
その悪魔が一人前の悪魔として他の悪魔に認めてもらうためには、
人間界に降りて、人間を騙さなければなりませんでした。
でもその悪魔は人間を騙すのがとても苦手で、何度も人間界に降りて人間を騙そうとしますが、ひとつとして成功したことはありませんでした。
そんな出来損ないの悪魔ですから、他の悪魔達は口をそろえてその若い悪魔を笑います。
「青い。青い。」
「青いなあ、お前。」
「お前は悪魔にゃあ向いてないなあ」
いつしかその若い悪魔は、他の悪魔に青い悪魔、と呼ばれ、ずっと笑い者にされました。
青い悪魔はどの悪魔からも仲間外れにされ、出来損ない、青い、と散々バカにされ、青い悪魔はひとりぼっちになりました。
青い悪魔はなんとかみんなに一人前の悪魔として認めてもらおうと、躍起になって騙す手段を考えます。
でも、いかんせん、青い悪魔には騙す才能がないようでした。
『これは魔法のみみかきです。買いませんか?』
『宇宙に巨大なマンションが建ちました。一部屋いかがです?』
『家庭飼育用小型象の遺伝子操作に成功しました、象を買いませんか?』
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