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悲しい思い出は、いつまでも心の奥に残り続ける。
ふとした時に、悲しい思い出を思い出す。
その記憶のひとつに、紙飛行機の思い出があります。
それは、まだ私が小学生であった頃の話です。
私は、あまり勉強が好きではない。
ただ、折り紙やお絵描きといった図工は大好きだった。
特に、紙飛行機を作るのが私は好きで、放課中や学校終わりにいろんな色の折り紙や、広告で様々な形の紙飛行機を作っては飛ばして遊んでいた。
ですが、私はあまり社交的な人物ではないから、友達がいなかった。
だから、かっこいい紙飛行機が出来ても、よく飛ぶ紙飛行機が出来ても、自慢したり、飛ばしあったりする仲間はいなかった。
そんなある日、学校の帰り道である物を見つけた。
それは、陽の光を浴びてキラキラと輝き、私の目を輝かせるあるもの。
「紙飛行機だ!!」
思わず叫び声をあげ、キラキラとした紙飛行機に近づいて行った。
近くで見てみると、小さめの紙飛行機で、少し汚れていた。
でも、しっかりとした紙で出来ており、よく飛ぶような工夫がいくつも施された素晴らしい紙飛行機であった。
(飛ばしてみたい…)
そんな思いがよぎった時…
「それ、私のなんだけど…」
背後から、弱々しい声が聞こえてきて、びっくりして振り返ると、そこには1人の女の子が立っていた。
身長は、私と同じくらいで、チェックのワンピースに、赤いランドセルを背負っている。
この当たりには、うちの小学校くらいしかないから、同じ学校の子なのだと思った。
でも、見かけたことがない。
「えっと…、この紙飛行機、あなたが作ったの?」
「うん…。」
「遊んでたらあまりにも遠くに行っちゃって…。」
「そうだったんだ!よく出来てるね!」
「ありがとう…!」
彼女の名前は、青空ちゃん。
学校も私と同じ小学校で、同じ学年の2年生だった。
青空ちゃんも、紙飛行機を作るのが大好きでよくおうちで作ったりしているらしい。
でも、私と同じく一緒に遊ぶ友達はいなかった。
「じゃあ、私と友達になろうよ!」
私は、大好きな紙飛行機を一緒に作りあったり、飛ばし合うことができる友達が欲しかったから、嬉しくて勢いでそう言った。
青空ちゃんは、少し考えた後に「うん」と答えた。
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