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いつもと変わらない通学路。
少しだけ汚れたランドセルを背負って、大切な紙飛行機を入れたカバンを肩からかけ、学校へ向かう。
(今日も、青ちゃんはいないんだろうなぁ…)
私はふと、カバンの中の紙飛行機に目をやる。
この紙飛行機は、あの日拾った紙飛行機。
「この紙飛行機、どうやって作ったの!?」
「作り方知りたい!!」
「…そんなに、すごくないよ…。」
「そんな事ないよ!私、たくさん紙飛行機作ってきたけど、こんなにしっかりした紙飛行機作れないよ!!」
「そうかな…」
「そうだよ!!」
「じゃあ、その紙飛行機…あなたにあげる」
「あなたになら、その紙飛行機あげてもいい…」
「え!?!?」
そう言って、青ちゃんは私に紙飛行機をくれた。
私は、この紙飛行機がとてもお気に入りだ。
カバンの中から取り出して、紙飛行機を眺めてみた。
青ちゃんみたいに、弱々しい感じに見えて、でもどこか力強さを感じるしっかりした紙飛行機。
(かっこいいなぁ……あれ…?)
私は、紙飛行機のある事に気がついた。
よく見ると、紙飛行機の至る所に字のようなものが見えた。
(これってもしかして…手紙!?!?)
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