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私は、今までに経験したことの無い気持ちに包まれた。
もやもやーってして、きゅーってして、しゅんってなって、涙が出る…。
「青ちゃん…」
私は、せっかく大切に崩した紙飛行機を、くしゃくしゃに握って、涙でぐしょぐしょにしてしまった。
「あ゛お゛ち゛ゃああああああんんっっ!!!!」
「うわ゛ぁぁぁーーーんん!!!」
誰も遊んでない静かな公園で、私は1人泣き叫んでいた。
すると、どこからか声が聞こえてきた。
「それ、私の紙飛行機…」
私は、いるはずもない青ちゃんの声が聞こえてくるようになったみたいだ。
相当、私の心は疲れているのかもしれない…。
「ぐすっ…あおちゃ…んの、ぐすん。声まで聞こえて…くるなんて…うぅ…」
「えっと…。大丈夫…??」
(そうか、きっと優しい大人の人が私を心配して声をかけてくれているんだ)
私は、そう思った。
「だいじょ…ぶっ、ぐすっ。です…」
「…ひなちゃん、読んでくれたんだね。手紙。」
「え…?」
私を、"ひなちゃん"と呼ぶのは、青ちゃんだけ。
私は、声のする方へ顔を上げた。
すると、そこには見覚えのある人が立っていて、私が1番会いたかった人がいて、私は夢を見ているんじゃないかと思った。
「これは…ゆめ…?」
力のない声に、青ちゃんはクスッと笑い、
「夢じゃないよ。ただいま。ひなちゃん」
そう言った。
────
青ちゃんは、"ムズカシイビョーキ"らしくて、それを何とかするために、"ビョーイン"へ行っていたという。
"ムズカシイビョーキ"は、"シュジュツ"のおかげで何とかなったみたい。
私には、難しすぎて青ちゃんの言っていることは、良く分からなかったけど、でも青ちゃんはこれから普通に学校へ通えるようになったみたい。
「何も言わないで突然居なくなってごめんね…」
「大丈夫だよ!!青ちゃんが戻ってきてくれただけで私、凄く嬉しいの!!」
「あのさ…手紙、見つけてくれてありがとうね…」
「手紙…。はっ!!紙飛行機!!ぐ、ぐちゃぐちゃになっちゃったの!!!うわぁぁん…」
「あぁ…泣かないでぇ…。また作るからさ?」
「うん…。また一緒に作ろ…。」
その後、私は青ちゃんと紙飛行機を作り直し、見事元通りの形の紙飛行機を作りあげた。
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