君を壊したい。

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 触れたい。  口に含みたい。  今下着の中で窮屈になっている自分のものを静稀にどうにかしてもらいたい。  蟀谷が脈動する。頭痛に似ているのに痛みはなく、ひたすら胸が苦しい。  乱暴に、めちゃくちゃに抱き締めたい。  その欲がどこから来るのか判らない。  自分だけに、誰にも見せたことのない顔を見せて欲しい。  「う、あ。」  貴美鷹の手が、静稀の手首をつかむ。予想していたよりも強い力に静稀の顔が歪んだ。  「いっ、」  非難がましく見やった目に、貴美鷹の欲情が映る。  「っ……!」  他人にその目で見られる度、何度嫌悪に嘔吐しそうになったか判らない。  赤く充血し、潤んだ、性欲に満ちた目。  ある者はうっとりと蕩かせ、ある者は傲慢に滾らせていた。  それが、貴美鷹の目なら異常なほど、腹の底から興奮した。  嫌悪感に苛まれながら体を蕩けさせていたセックスなのに、今は初めて頭と躰が一致してる。  「っ、は。」  詰めた息を吐き出し、貴美鷹の目に映る自分を覗き込んだ。どろどろと沸騰した熱を持っているのはお互い様だった。  「うあぁっ」  ずるんと一気に貴美鷹の下衣を剥ぎ取る。下着のゴムに一瞬引っ掛かった性器がぶるんと振れて、反り返った。  「すげ、も、ドロドロ。」  指の腹で亀頭の割れ目をなぞるとひくひくと腰が震える。柔い粘膜が開閉する感触。  もう自分のだってバキバキだ。  苦しくて尻の穴と睾丸の裏を繋ぐ粘膜の間がもぞ痒くて、棹の付け根で精子がぐるぐる行き場を失って突き上げようとしてる。  「んあ、ふあっ、」  指先で亀頭を撫でる。  貴美鷹の腿が焦れるみたいに震えてる。  「ひああっ!」  人差し指と親指で輪を作り、きゅっと締め付けて扱く。  下から上に扱き上げる度にぴゅるっ、ぴゅるっ、と透明なのが吹き上げる。  「や、だ、いいお、へ、んっっあああっ!」  舌でそれを掬い上げると、味がしなくて、さらさらして水みたいなのになんとなく、喉が乾いた。  「あ、ひっあ、いいっあ、や、へんっ!へんにっなるっ!」  いいながらのたうち、腰を突き上げて貴美鷹は涙を流す。澄ました顔からは想像できないような、涙と汗と鼻水にまみれた当惑の中に快感の笑み。  「もっと、あ、違う、やめて、ぃや、やめないで」  舐めとる先から蜜は溢れて、伸びた爪先が、腰を突き上げる。
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