後天性フェロモン性性衝動過剰症候群

1/1
前へ
/38ページ
次へ

後天性フェロモン性性衝動過剰症候群

 人口の減少が問題に取り上げられて早、幾年。  さすがの人体も危機を感じたらしくてある意味での進化を遂げた。  『後天性フェロモン性性衝動過剰症候群』  100人に一人位の割合で発症するそれは、月に一度の周期で過剰な性フェロモンを罹患者に分泌させ、罹患者自ら、ないし、罹患者に好意を寄せる人間に作用し、生殖を促した。  初めこそ『月1で性欲の強い人間が現れた。』程度の認識だった社会も罹患者が被害者加害者となる暴行、強姦が激増し、そう楽観視できなくなった。  そうして、フェロモンの分泌を抑制する新薬が開発され、学校、企業ではフェロモン休暇の有効な活用が推進された。  貞節の自己管理は努力義務となり、罹患者にはフェロモン分泌を抑制する薬剤を、フェロモンの影響を受けやすいと診断された者にも坑フェロモン剤の積極的な服用を呼び掛けている。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

95人が本棚に入れています
本棚に追加