不思議の始まり

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やっぱり、僕はダサい…。 そう思った。Aは黒タキシードにシルクハット、胸にワンポイントの黒薔薇に、赤と白の半分に分かれた奇妙な仮面をつけていた。 ちょっと怖い。僕はというと…家にあった何のへんてつもない包帯に赤絵の具をつけただけの格好。 そしてやっぱり始まった自慢話…。決して悪いやつではなく、むしろ性格がいい。だけど美意識はやたら高く、ついつい自慢話になってしまうのがこいつの欠点でもある。 最初はイライラしてしょうがなかったが、最近では軽く流せるようになったので比較的楽になったと思う。 そんな話や世間話をしながら、最初の家に着いた。 ハロウィン前日からお菓子をもらう家は決めておいたんだ。ここは、やたらお菓子をくれるメルディーズおばさんの家。子供が好きなようでいつもお菓子をたくさんくれるということで僕達の間では とても評判がいい。おまけにたくさんの種類をくれるから、尚更だよね。 僕達はいつものお決まりの言葉を扉の前で大きな声で言った。 『Trick or Treat!!』 扉が開き、にこにこしながらおばさんはやっぱりお菓子をたくさんくれた。 なんだか今回はお菓子のグレードが上がってる気がした。
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