序章【20歳の約束】

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序章【20歳の約束】

私達は気がつくといつも一緒にいた。 晴れの日も、雨の日も。 休みの日になるといつも一緒にお出掛けをした。 そんな無邪気に過ごせる時間が永遠に続いてくれればいいのに。 互いにそう思っていた。 しかし、諸行無常の響きありという言葉があるように、永遠に同じように続いてはくれなかった。 中学、高校と時を重ねていくうちに、離れ離れになってしまった。 「20歳になったら、このグラスを持ってあの青い橋が見える運河でまた会おう!」 胸に刻んだその約束が、止まっていた時計の針を動かしはじめる。 時計の中から溢れ出す、言えなかったあの思い。 優雅な衣装に身をまとい、グラスとグラスをあわせると。 舞踏会の鐘が鳴る。
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