第二章【あの日の記憶】

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ところが小学4年生も終わりを迎えようという時、事件…と言う程ではないけれど、私達の関係が希薄になっていくある出来事が起こった。 その日の放課後もいつも通り5人でいた。 外は雪が降っていて辺り一面銀世界。 「わーい。また雪降ったね!今日もみんなで遊ぼうよ!」 「全く、あなた達は元気ねぇ。どこにそんな体力あるのかしら。こっちは雪かきで大変なのに。」 雪かきで疲れた、親を横目に学校から帰ると一目散に外に出た。 子供は風の子というように、私達も寒さなんてお構い無しというう感じで外で遊んではしゃいでいた。 「よし!雪合戦しよう!」 「おう!じゃあ、男子と女子に分かれて勝負だ!」 「おりゃー!」 雪の玉が宙を舞い地面に落ちていく。 「痛っ、雪玉が腕に当たった。」 「へへっん。よそ見してるのが悪いんだよ。珀人も何か言ってやれよ。」 「えっ、雪だま投げたのは理空じゃん。何で僕が?」 「理空くん!あまり、本気で投げちゃ駄目!紅華ちゃんが怪我したらどうするの!それに珀人くんを巻き込まない。」 「へーい。さーせん。」 「ちょっと!反省してるの?」 「すいねぇ。もう大丈夫だから。よそ見してた私も悪かったし。それよりまだ決着ついてないよ、はやくまたやろう!」 そんなこんなで雪合戦は再開された。 10分後。 ほぼ、水平にものすごいスピードで雪だまが飛んだ。 「痛っ。ごめん当たっちゃった」 「おしっ、勝った!」 「残念だけど女子チームの負けか。次は何しようか。そうだ!雪だるま作ろうよ!」 女子チームの最後の一人藍莉が理空に雪だまを当てられ、男子チーム勝利で雪合戦は終了した。
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