第一章【グラスに導かれて】

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第一章【グラスに導かれて】

2019年2月15日。 今日は20回目の誕生日。 20歳といえば、いつものように誕生日を迎えるのと一味違う。 そう。20歳といえば大人と子供の境界線。 文字通り大人の階段を登る。 20歳になったら何しよう? お洒落にワインを嗜む? それとも、真面目に日本のこれからのことを考えて選挙投票に行く? 思い切って海外留学に挑戦する? 「どうやら、私が一番乗りのようね。」 運良く、予定より早い電車に乗れたので、約束の12時よりは少しはやめに着いてしまった。 様々な想いを胸に、今私は運河の橋の上にいる。 10年前に買った、赤いグラスを鞄の中に忍ばせて。
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