第一章【グラスに導かれて】

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「そうだ!みんなグラスは持ってきたわよね。まさかとは思うけど、忘れた人はいないわよね。」 感動の再会ムードから一変。 すいねぇが今日の本題とも言えるような話題を持ち出してきた。 「えぇ。もちろん。ちゃんと無くさないように部屋の目立つ位置にずっと置いて置いたんだから。」 私は赤に金の模様が描かれたグラスを取り出す。 「私もちゃんと持ってきたわよ。」 「俺だって。」 そう言うと、藍莉は青、理空は水色、珀人くんは黄色、すいねぇは緑色の色違いのグラスをそれぞれ鞄の中から取り出した。 グラスの透明感と凝ったデザインは何度みてもうっとりする。 毎日見ても飽きないとはこういうことを言うのだろう。 そう。そのグラスこそ今日私達を再会に導いてくれた鍵なのである。 グラスに目を向けると、あの日の記憶が蘇ってくる。 【第一章:終わり】
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