別の場所

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定時を過ぎた夕方6時。 私と玲ちゃんは軽く食事をしてから 清の居るホストクラブへ向かった。 ホストクラブへ近づくと話声が聞こえてきた。 「きゃー!!きよー!! 何で!?お出迎え!?超嬉しいんだけどー!!」 そこそこ若い女性がキャッキャしているのを見て 清が本当にNo.1で人気なんだと実感した。 「今日だけ特別でさ! 中に皆居るから指名してあげてね♪」 そう言って女性を他のホストに預けると清は キョロキョロと辺りを見回していた。 「清!」 私の声で勢いよく振り返った清は 凄く嬉しそうだった。 「あたしも玲ちゃんもホストクラブとか そういう所初めてだから・・・待った?」 「開店してそんなに時間経って無いけど 閉店ギリギリまで待った気分! ジョーダン!ゆっくりしていって!」 終始、笑顔の清に凄く落ち着きを感じている私。 玲ちゃんは既に酔っているのか どんどんとクラブの中へ入って行く。 清は私の手を掴み、玲ちゃんを引き留めながら 中に連れて行ってくれた。 席に着くと玲ちゃんの隣に清がヘルプを付けて 何やら3人で自己紹介をしていた。 「えー!?雫の同期生!? ちょっと雫!!こんなイケメン居るなら もっと早く紹介してよね!!」 玲ちゃんの言葉にクスクスと笑う。 その後、玲ちゃんはヘルプの人と 楽しそうに話をしていた。 私も清と話をし始める。 「お客さん皆楽しそうだね。」 そう言うと清が 「俺も楽しいよ」 と言った。 「ホストの仕事好き?」 と聞くと清はいや?と言ってフロアを見渡して ゆっくり話始める。 「色んなお客さんが来るからかな? 色んな話を聞けて、色んな仕事、 色んな人生があるんだなーって。 俺の知らない世界をお客さんが 教えてくれるから、だから楽しい!」 そう言いながら私を見た清は 凄く良い笑顔だった。 「・・・その言葉・・・ あいつに聞かせたいな・・・」 つい思った事が言葉になってしまった。 清に話を聞かせて?と言われ 準の事を話した。
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