別の場所

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朝の5時。 私の起床時間。 シャワーを浴び、着替えをしてメイク。 朝食は採らない派。 乳酸菌飲料を一気に飲んで身支度の後に徒歩通勤。 仕事の時間は9時、17時。 今日は気分転換に普段使わない路地を通ってみる。 角を曲がったところにファミレスがある。 店内からいかにもホストという男達が出てきた。 「清さんゴチっしたぁっ!!」 数人の男達が声を合わせて一人の男に頭を下げ お礼を言う。 その迫力に驚き思わず足を止めてしまった。 「おう!」 と言って振り返った清と呼ばれていた男と 目が合ってしまった。 すかさず目を反らして歩き出したいのに 何故か反らせない視線。 ・・・ その場に無言が漂った。 「・・・雫?」 (!?) 清という男が私の名前を口にして 更に驚いてしまった。 「あんた、夏野 雫?」 わけがわからないまま私は返事をする。 「・・・そう・・・ですけど・・・ 貴方は・・・?」 男の顔が一瞬で輝いたのがわかった。 「やっぱり!?うわ!まじか! 超久しぶりじゃん!成人式以来だから 10年ぶり!?」 必死に思い出そうとしてみるが なかなか思い出せないでいると その男がまた口を開いた。 「覚えてないか!? 高校3年間同じクラスだった渋谷! 渋谷 清人(しぶや きよと)!」 フルネームを聞いてやっと思い出した。 「え!?キヨくん?」 渋谷 清人(しぶや きよと) 同じく30歳。 高校の七不思議にもなった男。 喧嘩の噂は絶えず、授業中はほとんど寝てた奴。 なのに、成績はいつも学年トップ3に入っていた。 学校全体で5本の指に入るイケメン。 そこまでお互いに親しいわけではなかったが 凄く懐かしい感じがした。
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