マカロン macaron

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マカロン macaron

大学四年の明日香(あすか)は、ニヤける顔を隠すのに苦心していた。 寒さがゆるみ始め、もうすぐ桜が咲き始める季節だけに変質者に思われはしないかと内心ヒヤヒヤしながら、木曜日の夜の混み合う電車のつり革を必死に握りしめていた。 窓に映る自分の顔を見る度に、先ほどまでの直人(なおと)とのデートのことを思い出す。そして、その都度、ニヤけてしまう自分がいた。
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