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「お邪魔しました、またね」
軽く化粧をして身支度を済ませた私は、部屋着を着た彼に見送られ玄関に来た。
「遅いし、車で家まで送るよ」
「まだ10時だし大丈夫。恭ちゃんち駅歩10分だもん。ありがと」
「わかった、気をつけて」
私は笑顔で手を振ると、ドアを閉めた。
2階から共同の外階段で下へ降りていく。
こういう時、恭ちゃんは無理強いしないし、私の意見を1番に尊重してくれる。
でもそれは恭ちゃんの優しさな訳じゃなくて、[いつ元カレのところへ帰るかも分からない私]に嫌われたくないから、なんだと思う。
付き合ったからには彼を大切にしたいと思っているのに、なかなか私の気持ちが現状に追いつかない。
「はぁ~…」
ため息をつきながら最後の段を降りた。
恭ちゃんと過ごした後は、いつも罪悪感の波に襲われる。
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