10.心

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「まあいいや。これ、やるよ」 圭は、ポケットから封筒を取り出して私に渡した。 「?」 受け取って中を見ると、中には…諭吉さんの束。 これは、なくした20万よりもあるかもしれない。 「金、困ってんでしょ」 …なに、これ。 「いらないよ」 「桃也に借りるわけ?迷惑かけるなよ」 …なに、それ。 「借りるわけないでしょ」 自分でもびっくりするくらい、その言い方は冷たくなってたと思う。 「じゃあなんで手ぶらでここにいるわけ?いいから。もらっとけよ」 封筒を返そうとする私、それを押し返す圭。
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