10.心

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「ねえ、私とはもう付き合えないんだよね?」 「…うん」 「じゃあ、もうこんなことしないで!!私は警察に行こうか悩んで、それを圭に相談したかっただけ。お金なんて頼んでないから」 「…」 圭が眉をひそめたのがわかった。 私は圭と付き合ってる間、“物わかりが良くて穏やかな彼女”だったのだから無理もない。 もう、嫌なの。 圭に振り回されるのは、嫌なの。 やっと。やっと心が自由になれてきたのに。 どうしてこのタイミングでこんなことするのかな。 私のことなんか捨てたくせに。 今更、可哀想になったのかな。 憐れだから、お金なんてくれるのかな。 憐れな私を抱きしめてくれる桃也くんみたいに。
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