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「ねえ、私とはもう付き合えないんだよね?」
「…うん」
「じゃあ、もうこんなことしないで!!私は警察に行こうか悩んで、それを圭に相談したかっただけ。お金なんて頼んでないから」
「…」
圭が眉をひそめたのがわかった。
私は圭と付き合ってる間、“物わかりが良くて穏やかな彼女”だったのだから無理もない。
もう、嫌なの。
圭に振り回されるのは、嫌なの。
やっと。やっと心が自由になれてきたのに。
どうしてこのタイミングでこんなことするのかな。
私のことなんか捨てたくせに。
今更、可哀想になったのかな。
憐れだから、お金なんてくれるのかな。
憐れな私を抱きしめてくれる桃也くんみたいに。
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