2.後悔

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「えっと…どうって…?」 突然のことに、私は明らかに動揺してしまう。 沙織の質問に答えられないこと自体を、答えと受け取ったのだろう。 沙織は、食べかけのカルボナーラを見ながら、言い出しにくそうに口を開いた。 「あのね、りゅうくんから聞いたんだけどね」 りゅうくんは、沙織の彼氏。 「えっと…お友達の中で、凛乃のことがあんまり良く思われてないみたいで」 沙織の言葉を追いながら、その意味を理解するのでやっとだった。 「え…?」 「恭介くん、凛乃と付き合ってから、どんどん元気がなくなっちゃってるらしくね。その…ほら、凛乃、元カレのこと、まだ好きなの…?」 「…。」 「こんなこと、さおりが言うのもおかしいんだけど…りゅうくんがね、恭介くんと別れてやって欲しいって」 「…。」 思いもよらなかった話を、頭の中でやっと整理する。 胸が、ズキズキと痛い。 沙織への言葉が見つからない。 「2人のことなのに、口出しして本当にごめんね。元はと言えば、さおりが無理矢理紹介したのに…」 沙織は悪くない。 私のために、あんなに素敵な人を紹介してくれたんだ。 それなのに、私は─。 恭ちゃんが元気なかったなんて、全然気づかなかった…。 「うん…わかった。私の方こそごめんね。さおりが悪いわけないよ。りゅうくんにも、ごめんなさいって伝えてくれる?」 沙織の顔が、見られなかった。 何やってるんだろう。 恭ちゃんを傷つけて。 りゅうくんを怒らせて。 沙織にこんなこと言わせて。 こんな顔までさせて。 最低だ。 最低だ。 最低だ。
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