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「俺は別れたくない」
「…え?」
「まだ少ししか付き合ってないし、早すぎる。もう少し一緒にいれば、気持ちも変わってくるよ」
悲しそうな、苦しそうな、初めて見る表情でゆっくりと近づいてくる恭ちゃんに、思わず恐怖を感じて後退りをし、ドアノブに手を掛けた。
けれど、恭ちゃんは慌てて近づき、ぐいっと私を抱き寄せる。
「凛乃が好きなんだ」
そして、離れようとする私に、強引なキス─。
「んっ、恭ちゃん!!」
そのまま玄関扉に強く押し付けられて身動きは取れず、恭ちゃんの乱暴なキスは止まない。
「…やめっ……!!」
恭ちゃんの左手で右腕を押さえつけられ、右手は私の胸を乱暴に触った。
冷たい手が服の中に侵入し、腰から上へと這うように直接肌に触れる。
彼の息遣いはどんどん荒くなる。
私は、抵抗するのをやめた─。
彼の手でズボンを下げられると、ゆったりとしたそれはストンと床へ落ちた。
私の首筋を彼の舌がなぞりながら、手は太腿へ。
そして…。
これが、本来の恭ちゃんだったのかな。
それとも、優しくて温かな笑顔で笑う恭ちゃんを、私が壊してしまったのかな。
行為の終盤、恭ちゃんが「ごめん」と小さな声で呟いた気がした。
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