2.後悔

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30分くらい経っただろうか。 私は浸るべきでない余韻に浸っていた。 圭が、電話に出てくれた。 たったこれだけのことで、私にはまだ望みがあるんじゃないかとか、実は圭も私のこと気になってたんじゃないかとか、いろんなことが頭の中を巡る。 そしてその度に、[そんなわけないよ]とまだかろうじて残っている冷静な私が鎮圧した。 その時。 私の手の中でスマホが震えだした。 このバイブの長さは、着信だ。 まさか… まさか… と思いながら画面を見ると、[桐沢(きりさわ)桃也(とうや)]。 珍しい名前が表示されていた。 ドキドキと高鳴った胸が一瞬で鎮まる。 「もしもし?」 私はすんなりと現実世界に戻り、大通りを歩き出した。 『あっ、凛乃ちゃん?遅くにごめんね。今大丈夫?』 「桃也くん、どうしたのー?1人だし大丈夫だよ!」 『合コンの話なんだけど』 「あっ、うん」 すっかり忘れてた。 『希美が彼氏に、たとえ友達の為だとしても行くなって言われたらしくて。まあそりゃそうだよなあ』 「えっ!そっかあ、じゃあどうしようね」 『あれ?てか凛乃ちゃん外?』 「うん。ごめん、声よく聞こえない?」 『いや、車の音とか聞こえてきて。こんな遅い時間に大丈夫?まあ、こんな時間に電話してる俺も俺だけど』 「ん?」 気がつけば、時刻は1時を過ぎていた。 やばい、終電何時までだったかな…
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