2.後悔

15/18
前へ
/452ページ
次へ
「桃也くん、」 「なに?」 「あの…この先のコンビニに寄ってから帰りたい」 やっと出てきた言い訳に、声が強ばった。 私の鼓動はこれでもかと速くなっている。 「えっ、でももう遅いし…」 「お願い!」 アパートが近づきスピードを緩め始めた桃也くんに、思わず大きな声を出してしまった。 「うん、わかった」 恭ちゃんの車の横を通り過ぎる時、私は下を向いて、両手をギュッと握った。 彼が車にいたのかは、分からなかった。 恭ちゃんは、部屋に上がったことはないものの、車で送ってもらったり、迎えに来てもらうことはあった。 どうして来たんだろう。 あのまま、別れたと思っていた。 違ったのかな。 今更話すことは無い。 やっぱり私…怖かったんだ。 恭ちゃんがいると思ったら、怖くてたまらなくなった。
/452ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1778人が本棚に入れています
本棚に追加