18.未来へ結ぶ想いのかたち

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** 「いない…」 桃也くんのマンション、部屋のドアの前。 怯まないように来てすぐ勢いで押したインターホン。 私の勇気は虚しく、応答はなく玄関の小窓に明かりさえなくて、ドアを背にしゃがみ込んだ。 駅からここまで、少し傾斜のある歩道を走ってきた。 ドクドクとこれでもかと高まっていた鼓動が、少しずつペースを取り戻す。 バックからスマホを出して液晶を見ると、時刻は21:27。 土曜の夜。 帰りは遅いかもしれない。 朝かもしれない。 でも。 ここで待つ。 桃也くんのこと。 電話をするつもりは初めからなかった。 『もう会いたくない』 って。 話さえ聞いてもらえないかもしれないから。
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