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車を走らせ、コンビニに寄ってきつねうどんをカゴに入れた。
「温めますか?」
「お願いします」
支払いを済ませて、車へ戻る。
寒空の下、遠くに寂しそうな犬の遠吠えが聞こえた。
電話をかけた時の凛乃ちゃんは、明らかに様子がおかしかった。
でも、あまりに取り付く島もなかったのだ。
放置しておくのは危ない。
凛乃ちゃんは弱いから。
そう分かってはいるのに、思いのほか凛乃ちゃんの態度によるショックは大きく、周りに相談することさえできずにいる。
いつもの駐車場に車を停めて、いつものエレベーターのボタンを押した。
俺の部屋は凛乃ちゃんとの思い出が色濃く染み付いている。
何度か可愛らしい笑顔な彼女の幻まで見えそうになったほどだ。
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