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なんとも思っていない人に同じことを言われても、こんな気持ちにはならない。
「桃也くん…」
「ん?」
「アメリカ…私も行く……離れたくない」
「なんでそれ…。でも」
「…だめだよね。言ってみただけ」
「……」
桃也くんが、ふっ、と笑った気がした。
「ねえ」
今度はふわりと抱きしめられた。
くっついた桃也くんの胸からは私と同じくらい…じゃなく私よりも忙しない音が聴こえてくる。
「俺の、彼女になってくれますか?」
桃也くんの胸に深く顔を埋めな直して、安心する匂いに包まれながら、服をぎゅっと握る。
「………はい…なりたいです……」
泣きながらそう言った私の頭は、優しい手に撫でられた。
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