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「俺は、来てくれて嬉しいよ。凛乃ちゃん限定だけど。いつからいたの?身体、冷えてるね。風呂沸かすよ」
「えっ」
「夕飯は?」
「希美たちと済ませたよ」
「良かった、なら泊まっていって」
「着替えとかないし、今日は…」
「いいよ何も着なくて」
「………」
「…半分冗談だよ」
半分…
「凛乃ちゃん、顔、固まってる。はは」
しばらくしてお風呂の沸いた音を聴くなり、私は桃也くんの部屋着を持たされて「ゆっくり浸かってきて」と脱衣所に押し込められた。
私も離れたくなかったので、観念したふりをして内心で喜んだ。
浴室に入るなりすぐ目に飛び込んできたのは、私の忘れて行ったシャンプーとトリートメント。
それは棚の手前に綺麗に置かれていて、たとえついさっきまでどこか別の場所にしまってあったのだとしても、その心遣いがとても嬉しかった。
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