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「最低って…元はと言えば私が」
「凛乃ちゃんがそれを知れば自分を責めるって分かってたはずだろ」
「それは」
「誰かと付き合って別れる、どこにでもあることだ。それを、付きまとったり、言葉で脅したり、ましてや自殺未遂なんて。思い通りにならなくてだだをこねる子供じゃあるまいし。凛乃ちゃんはなんにも悪いことなんてないよ」
そう言うと、桃也くんは横にいる私に身体を向け直してぎゅっと抱き寄せた。
「抱え込みすぎてるよ。こんなに小さいくせに」
「…」
「凛乃ちゃんはもう俺の彼女だよね?」
腕の中で、掠れた声で、うん、と呟いた。
私はどれだけ桃也くんの言葉に、温かさに救われるんだろう。
「何も心配しないで。俺のそばで安心して笑って過ごして」
「…あは」
自信たっぷりなその言葉に、思わず顔中の筋肉が緩んだ。
「あと、アメリカ、一緒に来る?」
体を離した桃也くんの優しい眼差しが私に注がれる。
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