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圭は大学卒業後、警察官の道へ進んだ。
警察学校ではスマートフォン没収なので、休日までの1ヶ月間連絡ひとつとれないこともざらにあった。
恋人とは当然のごとくマメに連絡を取り合う友人を後目に、私は弱音を吐かず、プライドの高い彼を立てた。
そして、会える時はすべての時間を彼に捧げた。
我ながら、健気に支えてきたと思う。
傍から見れば私は“一途で優しい彼女”だったはずなんだ。
もちろん、彼の目にもそう映っていると思っていた。
圭の家族とも仲が良かったし、1年間の辛い警察学校時代を一緒に乗り越えた私たちは、安定した付き合いを続けてると思っていたんだ。
結婚願望の強い私は、[23歳くらいで結婚したいなあ]なんて、ぼんやりと考えていた。
その大好きな彼氏に突然フラれたのは、私の23歳の誕生日の前日、忘れもしない3月2日だった。
翌日、私は独り涙まみれの誕生日を迎えて23歳になった─。
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