1783人が本棚に入れています
本棚に追加
恭ちゃんとの出逢いは、7月の猛暑の頃。
大好きだった圭にフラれてどん底にいた私を気遣ってくれた高校からの友達、沙織の紹介だった。
その日、沙織の彼氏も含めて、小洒落たアジアンテイストなお店で4人で食事をした。
沙織の彼氏とは大学の友人らしく、打ち解けた2人の様子からは、仲の良さが伝わってきた。
第一印象は、“爽やかで優しそうな人”。
サッパリとした短髪の黒髪に、クリッとした二重の目。
水色ストライプのシャツがさらに爽やかさを引き立たせていた。
また、食後に出た杏仁豆腐が大好物だと言って、とても喜んでいたのがなんだか可愛くて印象的だった。
私は、“圭じゃない男性”と恋愛する可能性があるのかぁなんてぼんやりと考えながら、それなりに楽しい時間を過ごした。
いや、無理にでも楽しまなきゃって気持ちが勝っていたかもしれない。
帰り際、恭ちゃんから連絡先を聞かれて交換した。
するとその日の晩にすぐにLINEが来たんだ。
［2人で食事でもどうかな？］って。
私はその意味を深く考えることもなく、［いいですよ］と返信した。
最初のコメントを投稿しよう！